看護師のダブルワークについての現状と注意点

2019年に働き方改革が行われ、企業の就業規則の参考となるモデル就業規則に、「勤務時間外に他の会社で働くことができる」という副業や兼業についての規定が追加されました。それによって、現在は社会全体としてダブルワークをしやすい環境となっています。

それでは、現在看護師など医療や福祉を本業として働く人で、ダブルワークをしている人の割合はどのくらいなのかというと9.9%であり、業種全体の割合が9.7%なことから考えると決して少なくありません。その理由として最も多いのは「収入を増やしたい」というものであり、他には「活躍の場を広げたい」「いろいろな経験を積みたい」「空き時間を活用したい」「気分転換をしたい」などの理由が挙げられ、自分のスキルアップやキャリアアップ、時間の有効活用のためにダブルワークが行われています。

しかし、いくらダブルワークしやすい環境になったとはいえ、国公立病院で働く看護師は公務員とみなされるため、国家公務員法地方公務員法によって副業は禁止です。また病院によっては現在でも副業を禁止しているところもあります。そのような職場で働いている看護師がこっそりダブルワークをすることは、処分の対象となる可能性が高いので注意が必要です。

また、時間が空いているからと言って、何時間でも働いていいのかと言うと、そうではありません。労働基準法で、1日で8時間、1週間で40時間が労働時間の上限と定められています。これは複数の職場で働いた労働時間を通算して適用されるため、注意しましょう。また本来休むべき時間にまで無理して働くことは体への負担も大きく、体調を崩す恐れがあります。このような注意点も含めて気になる方は、『看護師のダブルワークについて【看護のミチシルベ】』も併せて読んでおくと良いでしょう。